暗黙のうちに子ども達が学ぶこと

学校の先生に向けて

ヒドゥンカリキュラム

みなさんはヒドゥンカリキュラムという言葉はご存知でしょうか。

ヒドゥンカリキュラムとは、日本語で「隠れたカリキュラム」と言い、「教師が意図や意識をしていないことを、暗黙のうちに子ども達が学んでしまうこと」です。

例えば、授業にAさんを意図的に指名し、発言を求めたとします。しかし、Aさんは何も答えずにずっと黙っています。「途中まででもいいから考えていることを話してごらん。」とか「困っているのかな。悩んでいるのかな。何か伝えてください。」とか、その子がしゃべれるように伝えてみてもいっこうに口を開きません。

Aさんが黙っているのに耐えかねた教師は、「全く分からないのかな。それではBさん、答えてください。」と次の子を指名しました。

実はこの中にヒドゥンカリキュラムが潜んでいます。

それは、「先生に指名されても黙っていれば、何も答えなくてもよい。」というルールが出来上がり、子ども達は都合が悪くなったら黙ればいいということを学んでしまいます。

学校現場には様々なヒドゥンカリキュラムが潜んでいる

先ほどは1つの例でしたが、学校にはこのようなことが山ほどあり、子ども達に悪い意味で学ばせてしまいます。

ゴミが床に落ちていて、一日中誰も拾わなかったら、床に落ちたゴミは掃除の時間で片付ければよいということを学んでしまいます。

授業中によくおしゃべりをする子がいて、最初は注意していたが全く改善せず、徐々に注意する頻度が減っていけば、授業中はおしゃべりしても良いという暗黙のルールが成立してしまいます。

学級が荒れてしまう原因の1つとして、このヒドゥンカリキュラムがあげられます。

「まだまだ小さなことだからいいか…」「全く気づかなかった…」

まずは自分の話したこと、教えたことという明らかに教えたという行動を見直すのではなく、少し俯瞰して教えていないこと、注意していないこと、何気ない行動から子ども達に教えてしまっているものを考え直してみるのはいかがでしょうか。

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