嫌なこと・苦手なことはやらなくてよい?
最近、よく聞く言葉で、「子どもの長所を伸ばしてあげましょう。」「嫌なことや苦手なことはやらなくても大丈夫。」という考えが広まってきました。
確かに一理あるかと思います。
チームや組織の観点で考えれば、各々が得意なことを発揮して適材適所で頑張ることができれば最大限の力を出すことが可能になります。
最たる例がスポーツかと思います。野球やサッカーなどのチームスポーツでは、限定的に活躍するためにそれぞれのポジションがあります。
野球であれば、守備が上手ければショートやセカンド、バッティングだけが飛び抜けていれば代打という活躍の方法もあるほどです。
サッカーであれば、シュートは苦手でも、パスやディフェンスが上手ければ後衛にポジションを取ることで十分活躍できます。
プロのスポーツ選手のようにおおよそ成熟しきってしまえばそのような考えは十分に妥当だと言えるでしょう。
しかし、子ども達にそれを当てはめるのはどうでしょうか?
得意・不得意なんて分からない
東大合格者やプロのスポーツ選手は4月・5月・6月生まれが割合的に多いです。
ある調査においては2倍もの開きがあったときもあったそうです。
でも、生まれた月で、子どもの知能や運動能力に大きな差があるとはとても考えにくいです。
そこには、学校の仕組みと自己肯定感が関係していると私は思います。
4月生まれは3月生まれとおよそ1年もの差があります。
当然日本の学校は4月から始まるので、まだまだ発達が未熟である小学校や中学校のうちはこの1年がとんでもなく大きな差となります。
その結果4月生まれの子達は大きなアドバンテージをもらい勉強でもスポーツでも活躍できるので、普通に過ごしていれば、周りの子よりも多く褒めてもらったり、自分が得意だと思えたりする機会が多いかと思います。
3月生まれはその逆になる可能性が高いかと思います。
ここで言いたいのは、システムや仕組みが悪いなどの批判ではなく、得意・不得意なんて誰にも分からないことが言いたいです。
得意だと思い込んで頑張っていたら順当に伸びてきた場合もあれば、不得意だと思って諦めたけど本当はとんでもない潜在能力を秘めていた可能性もあるのです。
子どもを取り巻く周りの声掛け1つで、その子の得意なんていくらでも作れてしまうのかもしれません。
できるまでやってみる
話を戻しましょう。
まだまだ成長過程である子ども達には、私は本人が得意と感じていることも、苦手と感じていることも一定の基準まではできるまでやってみることが必要だと思います。
数時間、十数時間程度やったところでその子の得意・不得意なんて分からないからです。
もっと言えば、習得には時間がかかるかもしれないけど、習得したことを応用する力は飛び抜けているかもしれません。
何を基準に得意と見るかでも考え方は変わってくるのではないでしょうか。
もちろん、できないことを無理に要求するのはその子の心を壊してしまう行為なので気を付ける必要があります。
そのラインを大人である私たちがしっかりと見極めてあげて、子どもにできるまでやらせる経験をたくさんさせてあげることが大切かと思います。
その経験は将来必ず役に立つと思います。
多少のことで挫けない心、自分はできると信じれる心。
テストの点数以上の価値がある贈り物を、我が子にプレゼントしてみてはどうでしょうか。
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