タイマーで上手くいかない場合
小学校では特に下校のときに通学班で固まって帰ることが多いかと思います。
その関係で1つの学級の下校が遅れてしまうと、全体に迷惑がかかってしまいます。
そうでなくとも、早く準備できている子や時間以内に終わらせるという観点からも帰りの準備は時間以内に終わることが望ましいです。
ですが、友達と話して遅れてしまう子、そもそも帰りの準備が遅い子、トイレに行っていてなかなか戻ってこない子など、放っておいて時間以内に全員間に合うことは珍しいかと思います。
まず考えられる対策としては、タイマーの活用です。
小学生であれば、5分の時間を確保してあげれば、どの学年でも大抵の子は間に合います。
中には最初から間に合わない子もいるかもしれませんが、何度も何度も回数を重ねれば90%以上の児童は5分もあれば楽々間に合います。
高学年であれば3〜4分もあれば十分でしょう。そこはクラスの実態に合わせて変更していくといいかと思います。
しかし、タイマーではなかなか変化の兆しが見られない場合もあります。
音楽を流す方法
私自身が難しい学級を担当したときの体験談です。
毎年のようにタイマーで帰りの準備を行うのですが、一向に変化しませんでした。
あと30秒だというのにトイレに行って遅れたり、はじめの2分間ぼーっとしていて間に合わなかったりする子が多かったです。
個別に声をかけようにも人数が多いし、どこまで進んでいるかが分からないなどと言った理由で無理でした。
どうして上手くいかないのか観察したところ、ある共通点がありました。
それは、電子黒板に表示されているタイマーを見ていなかったのです。
電子黒板のタイマーには残り時間が書いてあります。ですが、授業の時間と違って前に注目することはなく、ひたすら自分の片付けの手元を見たり、友達と話していたり、ぼーっと外を見ていたり、どこか違うところに注意がいっていました。
その日からタイマーをやめ、5分間流れる音楽に変えました。
今までは視覚に訴えかけていましたが、それは見ることではじめて意味をもちます。
だから今度は聴覚に訴えかけました。
2週間程は効果が薄かったですが、メロディと歌詞を覚えだした頃から大きな変化が訪れました。
「2番に入ったから2分ぐらいたったな…」「最後のサビだからあと1分かな…」「曲が始まったから帰りの準備がスタートしたな…」など、視覚とは違って聴覚は意識しなくても聞こえさえすれば注意がいくのがメリットです。
他にも、早く準備が終わった子が気持ちよく歌い始めたり、音楽のおかげで友達との会話がしづらいかったり、思わぬ効果もありました。
帰りの準備の時間を守りたい場合にはぜひ使ってみてください。
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