良い説明は見通しがもてる
教師が子ども達の前に立って授業をするときには説明を用いることがほとんどです。
この説明が上手であれば子ども達は落ち着いて学習に取り組むことができます。
では、説明が上手というのは何を指すのでしょうか?
色々な答えがあるとは思いますが、ここでは「見通しがもてる説明」とします。
説明をした後にグループワークなどの活動をしたんだけれども、子ども達が何となく動いていると感じたり、動き始めが鈍いと感じたりしているのであれば、是非参考にしてみてください。
見通しがもてる説明の例
例えば、国語の授業で主人公の気持ちが一番変化した出来事は何かということについて、4人グループでの話し合い方の説明をしたとしましょう。
前ですぐに説明を始めるのではなく、分かりやすいように1つのグループを例にしながら進めていくことを伝えます。「このグループで説明します。」
「最初はそれぞれの意見を確認するためAさんから順番に意見を言っていきます。このときの注意点として、誰もこの意見に対して質問や反論などはしません。次に、時計回りにBさん、Cさん、Dさんと意見を言っていきます。4人の意見が言い終わるまでは、話したい気持ちをグッと堪えてくださいね。4人とも意見が言えたら話し合いを始めてください。堪えてきた分、相手の意見に対する質問や疑問、反論などきっと伝えたくなりますよ。そして話し合いのゴールとしてグループの答えは何なのか4人が納得のいく答えを出してください。このグループ活動の最後には発表をしてもらいます。なので、誰が発表するのかを決めておきます。ここまでの活動を10分で行っていきます。」
少々丁寧すぎると感じるかもしれませんが、これでようやくクラスの8割ほどの子ども達がグループ活動でやることの見通しがもてます。
見通しがもてるからこそ10分という時間が意味のあるものに変わってきます。見通しがもてなければ何となく10分過ごして時間が余ったり足りなかったりするグループが多く出てきます。
先ほどの説明では、説明が長く、所々注意点も入っているので、まだ不十分です。
念押しで要点だけをまとめた流れを伝えて見通しを再度もたせます。
「①全員が意見をいう。②議論する。③グループの答えを出す。④発表者を決める。①〜④までを10分間で行います。」
ここまで丁寧に説明してこそ子ども達は安心して活動できます。
やることや時間配分がハッキリ分かってこそ、子ども達はようやく不安なく頑張れる環境が整います。
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