発表できる子を育てる

学校の先生に向けて

なかなか意見を発表しない

3学期にもなれば子ども達が学級や授業に慣れて、1学期と比較すれば心理的な負担もかなり少なくなってきていることでしょう。

安心できる学級だから自分の意見を発言しやすくなるということがあります。しかし、安心できる環境だからこそその現状に甘え、今まで通り発言もせず黙って授業を受ける子が出てくるのも事実です。

発言や発表できることはあくまで授業の目標を達成する手段である場合もあるので、一概に「必ず達成できるようにならないといけない」と強くは言えませんが、出来ないよりは出来る方がメリットのある場合が多いでしょう。

特に多種多様な考えを深めていくような授業では、どれだけ多くの人の意見に触れたり、話し合ったりする量や質の高さは授業の良し悪しに直結します。

最後の3学期に発言や発表できる子が増えていくような手立てをいくつか紹介します。

1時間の授業の中で意見を伝える時間を確保する

まずは初歩的な話ですが、1年間の中で話し合いの回数が数回や数十回だけしかないのであれば達成はかなり困難になるでしょう。

失敗も加味して、何百回も話し合いをすることで上達もしていきますし、子ども達の話すことに対する心理的なハードルも格段に下がっていきます。

グループや班で話し合うような活動を1日に最低1回は入れると良いかと思います。どうしても話し合いがとるのが難しい授業の内容ももちろんあります。そんなときはペアで話し合うなど、1時間の授業の中で一度も口を開かないような授業を意図的に避けるといいかと思います。

指名して発言させる

30人の学級であれば、全体の場で1人1分だけ発言したとしても30分かかります。

もちろん毎回の授業で発言や発表の時間はそんなにも確保できないので、特別な授業の内容でない限りは、特定の児童が答えることが多くなってくるのではないでしょうか。

しかし、それを繰り返していくと負の連鎖が生まれてしまいます。話せる子はいいのですが、話せない子は上達していきません。上達していないから勇気をもって伝えようと思っても、自分の考えが上手に伝えられなかったり、伝えるまでに必要以上に時間を消費してしまいます。こうなってしまったら次の発言や発表をまた控えるようになっていきます。

その子のタイミングを待つことも大切だと思いますが、1年間結局上達せず次の学年に上げてしまっては意味がありません。

ときには意図的に指名をして、伝える技術を向上させていく機会を均等ではないにせよ平等に確保していきたいものです。

挙手しやすい環境を作る

毎回指名していてはその子が次の学年に上がったときに同じように出来るか分かりません。最終的には教師のサポートがなくても自ら進んでいく子どもを育てたいものです。

そのために、自ら挙手をする体験を積み重ねる必要があります。

それを実現するために、環境を作っていきましょう。

具体的には、現段階でも挙手をして学級のために活躍している子どもを認めてあげることです。挙手したくなるような環境づくりは挙手をする人数につながるので欠かせません。

また、休み時間などに声をかけるのも良いです。「〇〇さんに期待している」「〇〇さんのノートに書いた内容とっても良かったから次はみんなのために役立ててほしい」など、次に頑張りたくなるような声かけが望ましいです。もちろん誰に声をかけていいわけではなく、あと少し背中を押してあげれば、乗り越えていけそうだという子から声をかけていき成長を促してあげます。

その人数が1、2人…3人、5人と増えていけば自然に発言・発表しやすい環境が出来上がっていきます。

もしよければ、3学期から試してみてくださいね。

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