半人前の過程を認める

学校の先生に向けて

すぐに一人前になるわけではない

教師であっても、保護者であっても、私たち大人は子ども達にすぐに教えたことで、一人前になって欲しいと願っています。

教員であれば、算数の授業で教えたことはすぐに問題演習でできるはずだ。今日の宿題は授業で教えたことなのできっと出来ているはずだ。テストまでに練習問題をたくさん解かせたから、正答率は高いだろう。などと、指導した内容に対して高い期待をもってしまうものです。

保護者であれば、お片付けの方法を教えたのだから1人でも出来るようになるだろう。さっき注意したことなんだからきっと守るだろう。そんなことを思っているのではないでしょうか。

しかし、期待とは裏腹に子どもはすぐに一人前になるものではありません。

おそらく考え直してみれば、今まですぐに出来るようになったことは少ないのではないでしょうか。

早く一人前になるには

では、早く一人前になるにはどうしたら良いのでしょうか。

それは、先生や保護者、子ども達が必要な手助けをしてあげることです。

自転車が乗れるようになるまでの過程をイメージすると分かりやすいかと思います。

自転車を初めて乗ったときに「頑張って漕ぎなさい。」と一言だけ言われて練習させられたら、嫌になりますよね。

それは、子ども達が自転車を練習しているときに、ちょっと頑張ればできるという領域にいるのではなく、頑張っても出来そうにない領域に属しているからです。

そんなとき、誰かが後ろから支えてあげたり、補助輪をつけたりして練習したらどうでしょうか。おそらく助けてもらっていたら出来るという半人前の状態を経由していつか一人前になるでしょう。

これは運動でも学習でも生活のしつけでも同じです。

算数の問題で1人で解くのがかなりの困難を要するのであれば、最初は誰かに助けてもらいながらでも解ける状態を目指すべきです。

お片付けが1人で出来ないのであれば、最初は手伝いながら徐々に手伝う量や時間を減らしていきましょう。

最初のうちは子どもが半人前でも構いません。むしろ子どもは半人前なのですから1人前になれるように手助けをしてあげましょう。

年齢が上がっていくとともに必ずあなたの手から離れていきます。そう遠くない未来にそんな姿が想像できるからこそ今しか出来ないことに力を注いでみてはいかがでしょうか。

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