良い学級には理由(わけ)がある
自分が経験が浅いときは、安定している学級を見て「あのクラスの子どもはやる気がある子がたくさんいて、問題を起こす子が少なくていいなぁ…」と思っていました。
今考えると自分の指導力のなさを子どものせいにしている自分を情けなく思います。
何年も担任を経験するうちに安定している学級には、先生がしっかりと指導されていることに気付きました。でも、気付いただけです。
今でも覚えていますが、その日からその学級を観察・分析するようになりました。しかし、1クラスだけではデータが足りないので、他にも安定している学級を観察・分析するようになりました。もちろん担任の先生に許可はいただいています。
驚いたのは、過去に学校や学年でも話題に上がるような問題行動の多い子どもを数人受け持った学級であっても、落ち着いているだけでなく、良い意味で勢いのある学級へと成長していました。
その担任の先生は私が気づかなかっただけで、目の前の子ども達に適した指導を考え日々実践されていたのだろうと思います。
2・6・2の法則
みなさんは「2・6・2の法則」はご存知ですか。
あらゆる集団において、パフォーマンス(生産性)が良い人が2割、パフォーマンスが中くらいの人が6割、パフォーマンスが悪い人が2割の割合で存在するということです。
学級で当てはめた場合、具体的な例を挙げると、2割が成績優秀者、6割が平凡、残り2割が成績不振者という割合で存在するということです。
学級の荒れや安定の話になれば、2割が学習や学校生活、行事などに積極的かつ協力的に担任とどんなときでも頑張ってくれる子、6割がどちらでもない子、残り2割が学習や学校生活、行事などに消極的かつ学級の足を引っ張ろうとする子となります。
もちろん学級によって多少のばらつきはあるため、この割合が3・6・1になる学級もあれば、1・7・2となる学級もあります。
では、学級の良し悪しを左右するのはどのそうかというと、必ず人数の多いどちらでもない子達になります。この子達は働きかけによって、良くも悪くもなります。
ついつい、いつも頑張ってくれる子たちに寄り添って、担任として一緒にみんなを引っ張りたいところですが、そうではありません。
もちろん、問題行動のある子たちを力ずくで解決しようとここに一番力をかけてしまうのも間違いです。
一番に行うべきはどちらでもない子達にアプローチをかけ、頑張る子達の方へ引っ張っていってあげることです。
見事この層を引き込むことができれば学級の7割、8割、9割はポジティブな行動をするようになり、一気に勢いを増すことでしょう。
安定した学級作りを行う先生は、まず力の入れどころをしっかりと見極めていたわけです。
時間もエネルギーもかけられる量は決まっています。まずは学級全体の雰囲気を左右する大まかなところから指導を始めてみてはいかがでしょうか。
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